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2005年04月20日

icon鶯がいるうちに……


 田村師匠が昨日訪うて下さったのは、交換音楽のためばかりではない。一番の目的は、私の呟きに応えるべく、鶯の声を録音してマックの中に入れる道具を買ってきて下さったのである。驚きました。このクロスセブンという赤くてちっちゃな代物で外界の音を録ることができ、かつ、マックに差し込むだけであれこれできるようになるのである。文明はここまで進んだのか。この小ささは、比較するなら、何でしょうな、百円ライターというもの、あれぐらいでしょうかね。いや、あれよりは大きかろう。ううむ、俄には信じ難かったのだけれど、師匠が説明がてら実演してくれたのであるからして、現実なのである。
 自分独りで同じことができるのかどうか、と、早速、本日試そうと思っていたのだが、間の悪いことに雨である。鶯が鳴く訳がない。他の鳥だって、宇宙人面した猫だって、現れる気配がない。仕方がないので、自分で、そのちっこい機械に向かって喋って、録音することに挑戦した次第。ところが、これがなかなかうまくいかない。師匠はあんなに簡単そうに扱っていたのだが、この老い耄れときたら、手先が不器用な上に脳みそまで不器用なもので、弄れば弄るほど訳がわからなくなる。情けない気持ちに襲われながらも、懲りずに、説明書と首っ引きで、かれこれ一時間ほども格闘した結果、何とか仕組みが理解できた。判ってみればどうということもないような気もするものの、暫く使わなかったら、またすっかり忘れてしまいそうな気もする。まあ、そうしたら、また格闘すればよいのである。
 いざ、録音という段。こんなちっぽけな代物に向かって独り言つ姿、傍から見れば、全く以て笑止以外の何ものでもなかろう。しかし、こういう時、うまい言葉が出ませんな。「ああ。ああ。マイクのテスト中」と、典型の中の典型ですよ。しかも、冷静に考えれば、マイクをテストしている訳ではない。録音機能をテストしているのである。まあ、そんなことはどうでも良い。そして、マックにさしてみた。すると、画面に出てきましたよ。ダブルクリックするとマックから「ああ。ああ。マイクのテスト中」としょぼくれた声が聞こえてきた。はは、馬鹿馬鹿しいけれど、何となく愉快である。三度も、己の、言ってみれば、棒読みの台詞を聞いてしまった。莫迦だね、全く。
 あとは、明日、晴れるのを待つのみ。そして、鶯の声を録音するのである。しかし、少しく心配ですな。この雨を機に、鶯がもう来なくなってしまったりしないか、と。春も大分深いもの。

春雨の間の悪き 鶯何処

投稿者 nasuhiko : 2005年04月20日 19:19

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