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2005年08月04日

icon朋来たる


 数日前、良次郎君からお中元が届いた。五色そばという奈良の蕎麦で、少々澄ましたような風の代物である。彼のことだから、美味い物をみつけてきてくれたのだろう、と思っていたのだけれど、ここのところ、酷い宿酔が続いていたもので、未だ食すには至っていなかった。今日辺り、やっつけますか、と思ってたところ、昼前に、御本人御来訪。
 腰を下ろした途端に「さて、喰いますか」と宣う。お中元を贈っておいて、届いた頃合いに現れて、さて、喰いますか、てんだから、気が利いている。憎めないねえ。こういうことは、やる人によっちゃあ、何だい、野郎は全くずうずうしいね、なんて、顰蹙を買うことだって少なくないだろうけれど、本日の場合、寧ろ、何だか楽しいような気さえしてくるから、不思議である。これもある種の人徳かしら。
 先ずは梅蕎麦というのを茹でてみる。これが良いのですよ。何というのか、品があるというのか、奥床しいというのか、喉の奥に仄かに香りが花開くような具合。これ見よがしに、さあさあ梅の香りだぞ、と、主張の激しいものとは異なり、飽くまでも、蕎麦が主役であって、梅は優雅な彩りを担当するというような風ですか。付いてきた蕎麦つゆも、甘過ぎず、宜しい。大師匠に頂いた醤油屋の蕎麦つゆと似ている。いいね、いいねえ、と言い交わしながら、すぐに平らげてしまったので、続いて、山芋蕎麦といきました。これはこれで、良いですなあ。こちらもくどくないね、というより、かなりあっさりしている。少々茹でが足りなかったね。固いや。まあ、しかし、これもこれで美味い。ふうむ、それにしても、奈良の蕎麦とは意外である。何となく、蕎麦というの、信州とかね、そんなところが思い浮ぶものだけれど、奈良とはね。しかも、美味いんだから、びっくりした。
 見た目以上に量が多くて、山芋蕎麦は食べ切れなかった。二人とも腹がくちくて、澤乃井を一口二口舐めるのが精一杯。そうだ。そう言えば、水の検査の件はどうだったのだろう。本当に蒲田の水は不味いのだろうか。尋ねたところ、そのまま忘れている、という。悪びれずにこう言うんだからとぼけた人だね、どうも。検査セットには賞味期限のようなものがあったような気がするけれど、どうだったかねえ。

 良次郎君は、食後程なく帰っていったけれど、相変わらず、忙しく飛び回っているようである。彼だとて、若い若いと言っても、そろそろ七十を超えたのではなかろうか。近頃のじじいは元気ですなあ。私も少し見習わなくてはいけませんな。いや、見習わなくてもいいかね。

投稿者 nasuhiko : 2005年08月04日 17:44

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