2005年09月04日

icon世は巡る


 朝の水遣りをしていると、最近は、バッタを多く見かけますな。一時期は派手な色をした亀虫みたようなものが多くなって、少々、不気味な感じがしたものである。あれは外来のものなのかね。どうも、日本の風景には似合わないような気がするけれど、確かなことは判らない。考えてみれば、鳥居の色なんかに近いところもあるから、あの派手派手亀虫てえやつも、案外、古来から日本に住む伝統的な種類だったりするやもしれない。鳥居亀虫とかね、そんな名前だったりしてね。
 近頃頻繁に顔を合わす、あのバッタは何というのか。幼少の頃には誰かがキチキチバッタと呼んでいたような気がするけれど、本当の名称は判らない。黄緑色で細長い姿は悪くないね。すっとしていてね。水遣りを始めると、あちらこちらでぴょんぴょん跳ねる。突然の雨でびっくりするのだろうか。だとしたら、申し訳ないことだけれど、しかし、植物の為には水が必要な訳だし、植物がなければバッタくん等だとて食に不自由するでありましょうからね。ここは、一つ御寛恕戴きたい。
 今朝もそんな具合で、あっちでぴょん、こっちでぴょんとなっていたところ、足元の草叢でばさっと何かが動いたような気がした。おやおや、と思って、覗いてみると、金蛇殿であります。小振りの、そうさねえ、三糎にも満たないようなキチキチバッタの、胴のど真ん中を銜えて、堂々としている。人間の目には残虐に見える光景ながら、じっとしている姿は何やら思案しているようでもある。一方、被害者のバッタくんも、観念したのか、ぴくりともしない。私も息を凝らして熟視して、じっとしており、三者三様、立場は違えど、ただただじっとしている時間がゆっくりと過ぎる。と、そこへ、静けさを乱すものが現れた。宇宙人面したちび公である。私の後方から、忍び足でやってきたのであろう、首の鈴さえちりとも言わせずに現れて、一気に飛びついた。ちび公くんは金蛇を銜えると、うにゃうにゃうにゃうにゃあ、というような、妙な声を上げた。見よ、我が太刀の冴え渡るを、などと宣うているのだろうか。それとも、やったよ、やったよ、ぼく、やったよ、と燥いでいるのだろうか。孰れにせよ、普段は耳にしたことのないような、独特の鳴き声でありました。そして、獲物を銜えて誇らしげに去っていきました。水、植物、昆虫、猫。自然界の循環というのか、何というのか。ううむ。

 昼前に庭に出てみると、また宇宙人面した猫くんが舞い戻って、木の間から顔を覗かせている。金蛇狩猟に味を占めて、張り番と相成ったのかもしれない。そんなことを思っいながら、じっと見ていたら、鼻の頭をぺろり。

投稿者 nasuhiko : 18:45 | コメント (0) | トラックバック