2005年01月03日

icon雪の色眼鏡


あらゆる汚れを覆い隠し
雑音を吸い込み
目眩く光を照り返す

この美しさ 目映さ 静けさ

白にだって陰影があるのだけれど
反射光は目を欺き
世界をやたらに明るく見せる

この美しさ 目映さ 静けさ

この美しさの下に 目映さの下に 静けさの下に
目隠しされた現実がある

朝になって溶けはじめた白き原の上を
土色のものがこちらへむくむくと動いてきた
猫だ
ああ あの猫か

投稿者 nasuhiko : 17:33 | コメント (0) | トラックバック

2004年12月20日

icon公孫樹


すべての葉を落とし
風の中に立ち尽くす
すべての葉を落とした君は
屹然としていながら寒々と
屹然としていながら白々と

それは仮の姿に過ぎぬのだ
やがてまた瑞々しい緑髪に覆われる
仮の姿で待つばかり
今はただ漲る力を内に秘め春が来るまで
今はただ冷たい風が吹き過ぎるのを

ところで、君と一緒に見送った彼の乙女は
旅立ってしまった
もう、戻らない

さようなら

投稿者 nasuhiko : 10:16 | コメント (0) | トラックバック

2004年12月07日

icon闇の中で朝を待つ


闇が薄く積もりはじめる暮れ方
色々が静かに消え始める


 茶

 青

 黄

全ての色は次第に暗く次第に黒く
打ち寄せる闇に溶け込んでゆく

暗赤
 暗茶
暗緑
 暗青
暗赤
 暗黄
暗赤

やがて夜も深くなり
何もかもが暗黒に沈む

黒赤
 黒茶
黒緑
 黒青
黒赤
 黒黄
黒赤

また新しい朝の光が照らすまで
黒いままじっと待ち続ける

ところで、明日も朝はくるのでしょうか
それは誰にもわかりません

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2004年11月29日

icon笹の根を追う


すくすくと伸びる笹
すくすくと伸びる笹
さあさあ さあさあ

すくすくと伸びる笹の
その足元は如何なる有り様かと
気になり出した

掘ってみました
掘ってみました

すくすくと伸びている
その頑丈な笹の根は思いもかけぬ彼方まで
すくすくと伸びている

毎日少しずつ掘っている
昨日も少し 今日も少し
そしておそらく明日も少し

笹の根はすくすくと伸びていて
まだまだ続く
そしておそらく明日も少し

ところが、ここに壁があるのである
笹の根は隣家の庭へと続いている

笹叢に風が吹く
さあさあ さあさあ
さあさあ さあさあ

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